昼夜間人口比率ランキング47都道府県|働く県と住む県はどこか
昼夜間人口比率は、昼間人口を夜間人口で割って100を掛けた値である。100を超えれば通勤・通学で人が入ってくる側、下回れば送り出す側になる。2020年の国勢調査で最も高いのは東京都の119.2、最も低いのは埼玉県の87.6だった。以下は総務省統計局の公表値による自前集計で、順位に加えて「どこからどこへ」通っているかをペアで数えた。
昼夜間人口比率とは
昼夜間人口比率 = 昼間人口 ÷ 夜間人口 × 100
統計局の定義では、夜間人口はその地域に常住する人口、昼間人口は従業地・通学地による人口である。昼間人口は、常住人口から他の地域へ通勤・通学する人を引き、他の地域から通ってくる人を足して求める。買い物や観光などの一時的な移動は含まない。通勤・通学しない人は常住地のまま数える。
夜間人口は国勢調査の常住人口で、住民基本台帳の人口とは別のものである(よくある質問で触れる)。国勢調査は5年ごとだが、2025年調査の従業地・通学地集計はまだ公表されていない(2026-10-05 確認)。2020年10月1日現在の値が最新である。
47都道府県ランキングと読み方
数値は不詳補完値で示す。回答が不詳だった項目(就業・通学の有無や従業地・通学地など)を統計的に補完した値で、統計局の「結果の要約」の図表もこれによる。補完しない原数値では東京都が116.1と、不詳補完値より3.1ポイント低い。順位も19都道府県で入れ替わるが、多くは100付近の僅差によるもので、上位5・下位5の顔ぶれは変わらない。他の資料と比べるときはどちらの値かを確かめたい。
各都道府県の比率は図の棒の先に示した。小数第1位で100.0を超えるのは14都道府県、100.0になるのが5都道府県、下回るのが28都道府県で、昼間人口が夜間人口を下回る県のほうが多い。上位は東京都(119.2)、大阪府(104.4)、京都府(102.0)、愛知県(101.3)、佐賀県(100.7)の順である。下位は埼玉県(87.6)、千葉県(88.3)、神奈川県(89.9)、奈良県(90.2)、兵庫県(95.3)と続く。
上位の東京都・大阪府・京都府・愛知県は三大都市圏の中心となる都府県で、下位の5つはいずれもその中心に接する同じ都市圏の県である。最も低い埼玉県・千葉県・神奈川県は東京都に接し、奈良県と兵庫県は大阪府に接する。比率の低さは、隣の中心都市へ働きに出る・学びに出る人が多いことの表れと読める。住みやすさや地域の産業の強弱を直接示す値ではない。
「どこからどこへ」流出入ペアを集計する
都道府県をまたいで通勤・通学する人は全国で6,580,904人、夜間人口の5.2%にあたる。常住地と従業地・通学地の組み合わせ(ペア)ごとに人数を数えると、上位10ペアだけで全体の70.1%を占める。
上位10ペアと通勤圏の構造
最も多いのは神奈川県→東京都の1,277,111人で、埼玉県→東京都の1,083,262人、千葉県→東京都の842,450人が続く。他県から東京都へ通う3,363,057人のうち、埼玉・千葉・神奈川の3県からが95.2%を占める。関西の大阪府、中京の愛知県へ向かうペアも上位に入る。
逆向きの東京都→神奈川県も315,836人と多いが、神奈川県→東京都の24.7%にとどまる。
比率の低い6県について、他県へ通う人の行き先をまとめる。
| 常住地 | 他県へ通う人 | 夜間人口に占める割合 | 行き先1位 | 行き先1位の割合 |
|---|---|---|---|---|
| 埼玉県 | 1,233,366人 | 16.8% | 東京都 | 87.8% |
| 千葉県 | 967,872人 | 15.4% | 東京都 | 87.0% |
| 神奈川県 | 1,336,812人 | 14.5% | 東京都 | 95.5% |
| 奈良県 | 195,323人 | 14.7% | 大阪府 | 80.3% |
| 兵庫県 | 421,804人 | 7.7% | 大阪府 | 89.3% |
| 岐阜県 | 130,761人 | 6.6% | 愛知県 | 92.6% |
東京圏の3県と奈良県では、夜間人口の14.5%〜16.8%が他県へ通い、その大半が1つの都府県に向かう。
通勤と通学で中身が違う
ここからは原数値で、15歳以上の通勤者・通学者に占める通学者の割合を見る(高校生を含み、15歳未満の通学者は含まない)。東京都へ向かう3県は6.8%(千葉県)〜8.8%(神奈川県)、大阪府へ向かう兵庫県は7.5%、奈良県は9.5%で、大半は通勤である。
大阪府と京都府の間では、原数値でも大阪府→京都府が約8.7万人、京都府→大阪府が約8.9万人と人数はほぼ同じである。しかし通学者の割合は、京都府→大阪府の8.4%に対し、大阪府→京都府は21.1%と大きく違う。京都府内の大学へ大阪府から通う学生が多いためと考えられるが、本稿のデータは学校の種類も所在地も持たない。
よくある質問
100を超える県はどこか。 不詳補完値で100.0を超えるのは14都道府県で、高い順に東京都・大阪府・京都府・愛知県・佐賀県・福井県・石川県・広島県・島根県・香川県・岡山県・福島県・愛媛県・宮城県である。最も高い東京都でも119.2だが、市区町村まで下げると桁が変わる。政令市の区と東京23区を含めて最も高いのは千代田区の1,753.7で、通ってくる人が住む人を大きく上回る都心の区である。
夜間人口は住民基本台帳人口と同じか。 同じではない。夜間人口は国勢調査の常住人口で、ふだん住んでいる場所で数える。住民基本台帳人口は住民票の登録に基づく人口なので、住民票を移さずに暮らす人などの扱いで一致しない。
まとめ
2020年の昼夜間人口比率は東京都の119.2が最も高く、埼玉県の87.6が最も低い。ペアで数えると、都道府県をまたぐ通勤・通学の70.1%が上位10ペアに集まり、下位の県は他県へ通う人の大半を1つの中心都市へ送り出している。人数がほぼ同じでも、大阪府と京都府の間のように通学の比重が違うペアもある。
都道府県の人口指標は都道府県比較、東京都・埼玉県の詳細は都道府県ページで確認できる。転入による東京への人口集中は東京一極集中で扱っており、本稿の通勤・通学とは別の動きである。東京圏への転入超過を年齢別に分解した当サイトの記事は東京一極集中は鈍化したのかにある。ツールの紹介は人口カルテ47にある。
参照: 出典は総務省統計局の令和2年国勢調査 従業地・通学地による人口・就業状態等集計(2020年10月1日現在)。夜間人口・昼間人口は時系列データ 常住地又は従業地・通学地別人口(e-Stat 統計表 0004003061 不詳補完値、0004003060 原数値)、都道府県間の通勤・通学者数は 0004019526(不詳補完値、男女計)、通勤・通学の内訳は 0003454526(原数値、15歳以上)。比率の順位、ペアの順位、行き先1位の割合、通学者の割合は本稿の集計。2025年調査の従業地・通学地集計は未公表(確認日 2026-10-05)。集計・確認日 2026-10-05。照合に用いた公表資料は総務省統計局「令和2年国勢調査 従業地・通学地による人口・就業状態等集計 結果の要約」 https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2020/kekka/pdf/summary_04.pdf (確認日 2026-10-05)。本稿の数値と図は、上記の統計(政府統計の総合窓口 e-Stat で公開)を基に doand.tech が加工して作成したもので、国が作成したものではない。